2015年 12月 09日

千年先のお話し 加地学陶展

昨年の4月、北海道・留寿都(ルスツ)の加地さんを訪ねたときの話しです。

晩ごはんの前に温泉へ行こうと加地さんに誘われ、車で30分ほどの、羊蹄山の向こう側にある小さな温泉へ連れて行っていただきました。加地さんと二人、露天風呂に浸かり、まだ残る雪を見ながらいろいろな話しをした中の、千年先の話しは忘れられません。

加地さんは修行中、師匠の森岡成好さんの奥様・由利子さんからこう言われたそうです。
「加地くん、あなたの器が千年後にどこかで掘り出されたとして、そのときに恥ずかしくない仕事をしなさい」と。

美術館・博物館へ行くと、千年前あるいはもっと昔に作られた美しい焼きものを目の当たりにすることがあります。焼きものを生業とする者は、意識するしないに関わらず、そういう古の焼きものをお手本にしているのだから、自分も覚悟を持って作りなさいということです。

そして加地さんはこうもおっしゃいました。
「千年経っても恥ずかしくない器を作ろうと思ったら、ひとつの展覧会で売れた売れなかったなんてどうでもよくなってしまうんですよね。もちろん売れた方がいいですけどね。あはははは。」加地さんは大きな声でよく笑います。

人間はどんなに長生きしても百年とちょっと。生きている間に、もっと上手にお金を稼ぐ方法があるかも知れない。それでも、千年先に恥ずかしくない仕事をしようとする加地さんの生き方は、とても人間らしいと思うのです。

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「加地学(かちまなぶ)陶展」
◯会期     12月5日(土)〜12月20日(日)
◯営業時間   12時〜18時
◯会期中の休み 12月7日(月)・14日(月)

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
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by nara-uemachi | 2015-12-09 15:27 | うつわ・暮らしの道具


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